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【子供向け】CRISPR-Cas9を用いたゲノム編集

目次


  1. ゲノム編集とは
  2. 「CRISPR-Cas9」の応用治療
  3. ゲノム編集のトピック

ゲノム編集とは


加藤綾子【3分でわかる】解禁「ゲノム編集食品」とは

2019年10月1日から「ゲノム編集食品」の事前相談・届け出の受け付けが始まりました。早ければ年内には、このゲノム編集食品が、店頭に並ぶことになりそうです。遺伝子組換え食品とは違い、自然界で起きている突然変異を人工的に起こす技術なので、解禁に至りました。

解説動画「ゲノム編集技術」

農林水産省の作った、ゲノム編集技術の動画。これまでの品種改良と比較しながら、CRISPR-Cas9を用いたゲノム編集を説明しています。ブロッコリーや紫キャベツなどは、キャベツの突然変異です。すでに、突然変異作物を口にしていたんです。

高校生物「ゲノム編集 CRISPR-Cas9 」

「CRISPR-Cas9」を用いたゲノム編集のメカニズムを解説。大学受験にも出る内容で、高校生向けです。

Genome Editing with CRISPR-Cas9

英語ですが、CGを用いて、CRISPR-Cas9を用いたゲノム編集の説明をしています。「説明」も参考にどうぞ。


「CRISPR-Cas9」の応用治療


ノーベル賞

2020年、エマニュエル・シャルパンティエ氏(独マックス・プランク感染生物学研究所長)とジェニファー・ダウドナ氏(米カリフォルニア大バークレー校教授)が、ゲノム編集技術「CRISPR-Cas9」の開発で、ノーベル化学賞を受賞しました。

「CRISPR」とは、多くの細菌に見られる遺伝子配列のことで、規則的に間隔が空いた短い回文構造を繰り返しています。これは、なんと、1987年に分子生物学者の石野良純氏(九州大教授)によって発見されていたのです。その後、細菌が、このCRISPRにある場所に、侵入して来たウイルスのDNAを取り込み、再度、ウイルスが侵入して来た際には、「Cas9」が、ウイルスのDNAを切断することが分かりました。それが、細菌の免疫獲得システムの一部であることが判明しました。そうして、シャルパンティエ氏とダウドナ氏は、細菌がCRISPRによって外敵であるウイルスのDNAを切断する仕組みを解明し、2012年、論文発表をしました。世界中の研究者が、その技術を用いて、ゲノム編集を発展させました。

「CRISPR-Cas9」システムは、この仕組みを応用して、目的のDNA配列を切断して、遺伝子の働きをなくしたり、異なる配列に書き換えることです。

ノーベル賞
遺伝子疾患の治療応用

これまでにも、脊髄筋委縮症治療薬「ゾルゲンスマ」、CAR-T細胞療法「キムリア」などの薬が承認されていますが、いずれもベクターにより、特定の遺伝子を導入したもので、ゲノム編集の技術を用いた治療法はまだ承認されていません。「CRISPR-Cas9」によるゲノム編集は、7,000以上の遺伝子疾患への治療応用が期待されています。2040年頃には、筋ミオパチーや関節リウマチ、それに感染症などでの応用が拡大すると考えられています。

ゲノム編集は、従来のベクターを用いた遺伝子導入方法と比較して、安全性や正確性が高いと言われていますが、複数の遺伝子が絡む疾患に対しては、応用が難しく、標的とは異なるDNAを編集してしまう「オフターゲット効果」の懸念があります。

治療応用
臨床試験

エディタス・メディシン(米)、CRISPRセラピューティクス(スイス)、インテリア・セラピューティクス(米)の3社が、「CRISPR-Cas9」の治療応用で先行しています。

In vivoで最も開発が進むのは、エディタスの眼疾患治療薬「EDIT-101」。レーバー先天性黒内障10型を対象に、自社で臨床第1/2相(P1/2)試験を行っています。同社はまた、Ex vivoとして、米ブリストル・マイヤーズスクイブと、αβT細胞療法と呼ばれる活性化自己リンパ球療法の開発も行っています。


米バーテックス・ファーマシューティカルズと提携するCRISPRセラピューティクスは、鎌状赤血球症/βサラセミア治療薬「CTX001」のP1/2試験を実施中。20年12月には、同試験のフォローアップ期間が3カ月を超えたβサラセミア患者7人全員が輸血を必要とせず、同様に鎌状赤血球症患者3人全員で血管閉塞症が見られなかったとする良好な途中経過を発表しました。同社はまた、幹細胞由来の補充療法を手掛ける米ヴィアサイトとともに、免疫抑制を必要としない1型糖尿病治療用のβ細胞置換製剤を開発しています。


インテリアは、米リジェネロンとトランスサイレチンアミロイドーシス治療薬「NTLA-2001」のP1試験を実施中。両社は血友病A/Bでも提携しています。インテリアのIn vivo治療薬は、デリバリーシステムに脂質ナノ粒子(LNP)を使っているのが特徴。Ex vivoでは、スイス・ノバルティスと鎌状赤血球症治療薬のP1/2試験を行っています。


治療応用
特許紛争

ダウドナ氏が所属するカリフォルニア大などのグループと、米マサチューセッツ工科大と米ハーバード大が設立した米ブロード研究所が、「CRISPR」の特許紛争をしています。

カリフォルニア大バークレー校(UCB)とシャルパンティエ氏、同氏が以前所属していたオーストリア・ウィーン大は、「CRISPR-Cas9」の基本特許を共同で持っています。

特許争い
次世代技術の開発

米ビーム・セラピューティクスは、「CRISPR-Cas9」を基にした、1塩基のゲノム編集技術を開発しました。同社は現在、鎌状赤血球症とβサラセミアを対象とする治療「BEAM-101」の申請に向けて準備を進めています。

日本企業としては、エディタスとライセンス契約を結ぶ東京大発ベンチャー・モダリスが、「CRISPR-Cas9」を応用した治療法を開発中です。同社は「dCas9」(切断機能を無くしたCas9酵素)を使って遺伝子のスイッチをON/OFFする「CRISPR-GNDM」という技術を持っており、筋疾患や中枢神経疾患に対する治療法を開発中です。

エディタスは、「Cas9」とは別のたんぱく質を用いた「CRISPR-Cpf1」を開発しました。これは、標的のDNAに特異的に探し出すので、オフターゲット効果が、起こりにくいと考えられています。ダウドナ氏も、「Cas9」の半分の大きさの「CasΦ」を開発しています。

大阪大発ベンチャーのC4Uや米ローカス・バイオサイエンシズなどが、「Cas9」で、ゲノムを切断するのではなく、「Cas3」酵素を使って、ゲノムを削る「CRISPR-Cas3」技術を開発中。また、C4Uは、ノルイミューン・バイオテックと共同で、同技術を活用した「CAR-T細胞療法」の研究をしています。さらに、ローカスは、「CRISPR-Cas3」とバクテリオファージを組み合わせた「CRISPR-Phage」法を考案して、感染症領域への治療応用を試みています。


ゲノム編集のトピック


ゲノム編集による子供の誕生

2018年11月、中国の南方科技大学の賀建奎副教授が、「CRISPR-Cas9」の技術を使って、ヒトの受精卵に編集を施し、双子を誕生させたと発表。エイズにかかった男性の精子と、無感染の女性の受精卵を編集して、双子を誕生させたのです。健康な子が欲しいという両親の希望を叶える形になりました。

それまでにも、動植物でのゲノム編集は、盛んでしたし、不妊症の解明の為に、ヒトの受精卵をゲノム編集する研究もありました。しかし、賀氏のように、受精卵を母胎に戻した例はなく、ましてや子供を産ませた報告は初でした。倫理面で問題があり、その子の子孫への影響を考えると、到底許されることではありません。

エイズ感染を防ぐ為にゲノム編集を行ったところ、「オフターゲット効果」によって、西ナイル熱などの他の病気にかかりやすくなったという研究もなされています。

子供の誕生
免疫細胞

エイズ患者の血液中の免疫細胞を取り出して、感染しにくいようにゲノム編集をして、元に戻す方法は、臨床研究が進んでいます。

品種改良

肉厚の真鯛や栄養の多いトマト、それに多収穫米などが、開発されています。

真鯛
左が、ゲノム編集された真鯛。

トマト

引用文献


  1. AnswersNews
  2. ニッキィの大疑問
  3. 紅萌
  4. 徳島大学

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