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【子供向け】バイオテクノロジー最新研究

目次


  1. バイオテクノロジーとは
  2. 最新研究ニュース

バイオテクノロジーとは


バイオテクノロジーとは

「バイオテクノロジー」とは、「バイオロジー(生物学)」と「テクノロジー(技術)」の合成語で、生物の持っている働きを人々の暮らしに役立てる科学技術のことです。

バイオテクノロジー
バイオテクノロジーの応用分野

バイオテクノロジーは、「化学・発酵」「情報」「医療」「農業・食品」「環境」「機械」「電子」など、多くの分野で応用されていて、生活の一部になっています。
例えば、発酵食品である味噌や醤油は、伝統的に、微生物の働きを利用して、バイオテクノロジーを活用して作られているし、遺伝子組み換え技術を応用して、害虫に強くて、除草剤の影響を最小限に抑えて、病気に強い、大豆やトマトを作ることなどが挙げられます。また、洗剤用の酵素や医薬品を微生物に作らせることもありますし、遺伝子診断や遺伝子治療、再生医療などにも応用され始めています。さらに、有害物質を微生物に分解させて環境対策をすることなどもあります。

応用分野
バイオ医薬品

バイオテクノロジーを応用した医薬品は、1980年代から、実用化され始めていました。例えば、赤血球の産生を促し、腎性貧血患者によく使用されている「エリスロポエチン」は、ハムスターの細胞に「エリスロポエチン」を作る遺伝子を組み込んで作り出します。

エリスロポエチン

がんやC型肝炎を治療する「インターフェロン」は、大腸菌などに「インターフェロン」を作らせる遺伝子を組み込むことで作り出しています。

インターフェロン

以上のように、バイオテクノロジーの技術を応用して、薬の大量生産をしています。また、糖尿病の治療薬の「インスリン」や低身長症の治療薬の「成長ホルモン」なども、産生されます。

遺伝子診断

患者の血液や口腔粘膜を採取・解析して、特定の病気の原因遺伝子を持つかどうかDNAを調べて、病気の発症の可能性を診断することができます。

遺伝子診断
遺伝子治療

遺伝子治療は、多岐にわたっていますが、例えば、患者の骨髄から幹細胞を取り出して、ウイルスベクターを運び屋として、正常な遺伝子を細胞の核の中のDNAに組み込み、その細胞を特殊な方法で増やすことで、体内で、正常な遺伝子が働き、不足していたたんぱく質が作られて、病気を治すことができます。遺伝子治療は、元々、遺伝性疾患という遺伝子に異常があり、ある種のたんぱく質が作れない患者を対象にしていて、根本的な治療には、遺伝子レベルでの治療が必要だと考えられていました。

遺伝子治療
再生医療

再生医療は、例えば、患者の体から幹細胞を取り出して、増やして、目的の組織や臓器を作って、体に移植する方法があります。最近では、ES細胞やiPS細胞を使った再生医療が注目されています。自分の細胞から臓器を作って、不具合の生じた臓器と取り換えることも可能になりつつあります。

再生医療

最新研究ニュース


遺伝子組み換えされた幼虫で食害を防ぐ

バイオ企業イントレクソンの英国子会社であるOxitec(オキシテック)と同社のパートナーであるバイエルの幹部は、遺伝子組み換えによって、自己制御遺伝子を持つツマジロクサヨトウという毛虫のオスを開発したと9月下旬に発表。このオスの毛虫がメスと交尾して生まれた卵は、主要たんぱく質が過剰になり、すぐに死滅するそうです。

この遺伝子は、毛虫の卵にとって、主要たんぱく質を極めて大量に作成するので、ツマジロクサヨトウの幼虫の成長にとって重要な他のたんぱく質を作ることができなくなります。このたんぱく質の過剰生産という方法により、通常の細胞機構を無力化させることができます。

つまり、殺虫剤を使わなくても、毛虫を駆除できるということです。

幼虫
高性能でクリーンな次世代バッテリー

遺伝子組み換えをしたウイルスを使って、バッテリーを作ることができました。このバッテリーは、エネルギー密度や充電速度が、これまでとは格段に向上し、環境負荷も少ないそうです。ヒトの天敵であるウイルスが、私たちの生活に恩恵をもたらす時代になったのです。

具体的には、細菌の内部で増殖する「M13バクテリオファージ」という葉巻型のウイルスを使いました。まず、加工させたい素材にこのウイルスを晒し、遺伝的な変異を起こして、素材に付着させます。その後、そのウイルスを抽出して、細菌で大量にコピーを作らせます。それを繰り返すと、バッテリーとして機能するということです。

従来のバッテリーの作製には、有害な物質と高温の環境が必要でしたが、今回の方法ならば、電極の材料となる物質と常温の水、それに遺伝子組み換えウイルスがあれば良いので、環境には優しいが、コスト面では、まだまだ改善の余地があります。

バッテリー
DNAを改変して世界のデータを半永久的に保存する

大きめのカプセル剤くらいのステンレス製の容器の中にDNAを入れて、データを記録する媒体が作られました。この記録媒体は、桁外れに密度が高く、容易に複製でき、数千年も安定した状態を保てます。電子データを遺伝コードに翻訳して使います。例えば、数百年後に、データを読み出したければ、DNAのシークエンスをして、電子データに翻訳すれば良いそうです。

この容器の中に、グーグルのデータセンター数十カ所分のデータを収めることができます。

現状、コストが高いので、実用化には至っていませんが、2040年頃には、シリコンチップで保存できる容量が、限界を超えるそうで、DNAの記録媒体が、必要とされる時代が来ます。

DNA記録媒体
抗生物質は「国家のインフラ」

2018年10月上旬、米食品医薬品局(FDA)は新たな抗生物質「ヌジラ(Nuzyra)」を承認しました。一般名は「オマダサイクリン」と言います。抗生物質時代の黎明期から利用されてきたテトラサイクリンの改良版で、皮膚感染症や肺炎の治療に効果がある抗生物質です。

抗生物質の開発には、大きな投資と長い時間が必要で、新薬ができた頃に、耐性細菌が、出現するそうです。その為、大手製薬メーカーは、軒並み撤退しています。それが、抗生物質は「国家のインフラ」と呼ばれる所以です。

抗生物質
自分だけの抗がん剤

メッセンジャーRNA(mRNA)を使って、人間の細胞が、その体内で薬を作り出せるようにする技術が、開発されています。メッセンジャーRNAには、遺伝情報が書き込まれていて、がん細胞を破壊する化学物質や心臓の治癒を促すたんぱく質、それにウイルスを捕まえる抗体などをヒトの体の中で、作らせることができます。

具体的には、環状DNAのプラスミドに遺伝子の構成要素である「ヌクレオチド」を組み込み、酵素を触媒として、このDNAをいくつものメッセンジャーRNAに転写します。そして、メッセンジャーRNAを脂質ナノ粒子デコーティングして、薬瓶に詰められます。

「自分だけの抗がん剤」という夢のような薬の開発が、大きな進歩を遂げています。30年ほど前から研究されていますが、アルゴリズムを活用して、機械で解析できるようになったことが、大きな要因です。

抗がん剤
インポッシブル・バーガーの挑戦

インポッシブル・バーガーは、人工肉でできています。人工肉は、大豆の根からとれる大豆レグヘモグロビンたんぱく質に、必要な遺伝子を酵母によって、組み込んで誕生しました。改変された酵母を使うことで、血液や筋肉なども存在します。

この牛肉そっくりの植物由来の人工肉は、米食品医薬品局(FDA)から、「何も懸念はない」と、お墨付きをもらいました。

開発企業は、「2035年までに世界中の獣肉を人工肉に置き換える」と野望を持っているそうです。

人工肉
人工の「ミニ心臓」

「ミニ心臓」は、本物の心臓よりもサイズは小さく、単純化されていますが、ヒトと同じように4つの部屋に分かれています。糖分と塩分のある温かい培養液の中に浸けられ、ドクドクと拍動します。このミニ心臓は、「オルガノイド」と、名付けられています。

以前は、ペトリ皿の中の一層の細胞しか育てられませんでしたが、回転楕円体(スフェロイド)に培養した細胞を押し込んだところ、3次元に成長したそうです。そこに、細胞型をシート状に接着・凝縮化させました。さらに、幹細胞から育て、遺伝子操作をした心臓細胞を型に流し込んで、皮膚線維芽細胞を加えたところ、本物のような細胞型が、出来上がりました。

ミニ心臓は、新薬の試験のために利用するそうです。

ミニ心臓
これからの医療

看護師などを目指す方に向けた講義。


引用文献


  1. 中外製薬
  2. WIRED

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