経済と株式の10原則について概説しました。今後も、投資とは上手く付き合って行かなくては、ならない時代が到来しています。「株式は、ゼロサムゲームではない」「投資対象の選別化が進む」「相対的に預貯金が目減りしているようなもの」など、各アトラクションをお楽しみください。
株式・商品などは、ゼロサムゲームではありません。基本的には、物価の上昇に従って、右肩上がりになります。よく株式の長期投資をおすすめするのは、そういう理由です。みんなが買えば、みんなが儲かるのです。ただし、バブルというものがあります。今が、バブルなのかどうなのかを判断しましょう。
日銀が、日本株のETFを買うという驚くべき行動をとっています。最初は、随分な冒険だと思いましたが、株価が上昇するのを見ていると、「国策に売りなし」ということでしょうか。ただし、ETF買の原則年6兆円の目安を削除して、株高局面の買を見送り、市場の混乱時に積極的に買う姿勢を明確にしました。さらに、買い入れ対象は東証株価指数(TOPIX)連動型のみとすることを発表しました。つまり、上げ一辺倒は終了して、安定期に移行することになりそうです。TOPIXが、下がったところを買うのが、おすすめです。買うのは、時価総額の大きい銘柄が良いでしょう。
銘柄 | 寄与度 |
---|---|
トヨタ自動車 | 3.4% |
ソニー | 2.3% |
ソフトバンクグループ | 2.0% |
キーエンス | 1.7% |
任天堂 | 1.6% |
武田薬品工業 | 1.4% |
日本電信電話 | 1.4% |
三菱UFJフィナンシャルグループ | 1.3% |
リクルートホールディングス | 1.2% |
第一三共 | 1.2% |
出典:カブヨム
異次元の金融緩和は、まだ続けるそうです。これをやると、金利が上がりにくくなります。リスクオフになった時の「有事の円買い」にも、影響を及ぼしそうです。また、金利が上がらないと、銀行株が上昇しにくくなります。ただし、日銀は、将来のマイナス金利深掘りを可能にするため、金融機関に上乗せ金利を付ける制度もつくるそうです。その為、銀行にとっては、追い風だと言えるでしょう。
米国の金利が、徐々に上がっています。米国の金利が上がると、基本的には、円安ドル高になります。ドル買いが進むので、米国株が、相対的に下がります。また、米国は、2023年頃に金融緩和を終了することを発表しています。金融緩和をしないと、お金が増えないので、米国株が頭打ちになります。そして、米国株が下がれば、日本株もつられて、下がります。
日銀は、インフレターゲット2%を目標に掲げていますが、日本の人口減少・競争力の低下などを勘案すると、物価が、2%も上昇し続けることの方が、むしろ不自然と言えるでしょう。デフレの中で、知恵を絞って、経済活動をしていくのが、日銀に課された使命なのではないでしょうか。
経済は、世界と繋がっています。そして、各国の金融緩和政策のしわ寄せが、新興国に及んでいます。新興国では、金利が暴騰して、インフレーションを起こしています。これが、火種になる可能性もあります。そうなると、リスクオフになって、日本株も下がることにもなるでしょう。
金融緩和政策が、引き締めされると、株価の下げ要因になります。しかし、お金がなくなるわけではなく、どこかに向かいます。その動きを先回りすることが重要です。今後の大きなテーマは、金融引き締めなので、金利の上昇が見込まれます。そこで、ドル買いがおすすめです。また、株式投資でも、状況に応じて、循環物色をすれば、儲けは出るかも知れません。株式のセクターの循環物色もそうですが、新興株と大型株の循環なども有効です。
新型コロナウイルスの影響で、投資対象の選別化が、一気に進みました。巣ごもり消費とインバウンド崩壊で、ゲーム・通販が伸びて、宿泊・飲食が、沈みました。しかし、その動きが、逆行する可能性はあると思います。新型コロナウイルスで、業態転換した会社にも、要注目でしょう。
預貯金の金利よりも、株式の配当の方がはるかに高いので、株式投資に魅力がありました。しかし、金利が上昇するのであれば、株式の旨みが薄れて、株式を売って、国債などを買う流れになります。
株価が上がって、経済が、上向きになっているような気がしているかも知れませんが、金融緩和によって、お金が、大量に増えています。これは、預貯金が、目減りしているようなものです。100万円の貯金が、例えば、98万円の価値に下がるようなものです。どこかに投資しないと不利益な時代が到来したのかも知れません。