今日のトレンドワード1位は……
黒田氏の方針が槍玉に挙げられなければ良いのですが。
世界の中央銀行関係者や経済学者らが集う経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が25日夜に開幕した。会議全体のテーマは「経済と政策の制約の再評価」。新型コロナウイルス禍を経て変容した経済・物価環境に政策当局がどのように対処すべきかを討議する。
開催期間は25~27日の3日間。昨年までコロナの感染対策でオンライン形式だったが、今年は3年ぶりに対面型の開催になる。会場はロッキー山脈の麓の山荘だ。
会議を主催する米カンザスシティー連銀が公表したプログラムによると、25日夜の開幕レセプションを経て、26日午前8時(日本時間午後11時)に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が講演する。今後の利上げペースなど金融政策の先行きにどこまで踏み込んだ発言をするかが最大の注目点になる。
日本経済新聞
このパウエル議長の講演に世界が注目しています。
内容次第では、為替や株価に大きな変動を与えます。
日本でも、FXをしている方を中心に、固唾を飲んで見守ることになるでしょう。
今週は、依然として円売りポジションを抱えるヘッジファンドなど外国人投資家たちから、ジャクソンホールで日銀の黒田東彦総裁が何を語ると予想されるのか、との質問が飛んでくる。
日銀の政策選択余地が限定的で円買い市場介入にも勝ち目はないと知りつつも、「物価が上がらない国」とのレッテルを貼られてきた日本の消費者物価上昇率が2%を超えたとなると、心穏やかならぬとも見える。
パウエルFRB議長は、利上げの副作用について記者会見で語るとき、「ジャパニフィケーション(日本化)」は回避できる、などと日本を引き合いに出してきた。そこに、黒田総裁が日銀は緩和継続の姿勢を崩さずと言い切れば、仮に質疑応答に応じた場合の話だが、「それは無条件か」と突っ込まれる可能性もある。パウエル議長がインフレ退治を「無条件で」優先すると語っているからだ。
なお、国際通貨投機筋は1ドル=110円台から円売り攻勢を繰り返し、連戦連勝で大もうけしたので、今回は140円まで粘るほどの無理はしない心理的余裕がある。これも、ぶれぬ日銀金融政策のおかげゆえ「サンキュー、ミスタークロダ」の声があがる。そのミスタークロダの発言が英語になると思わぬ解釈を生み、利益確定の円買い戻しの理由に利用される可能性もある。円売りトレードが最も混み合うといわれるほど異例の市場環境で、任期最後となるミスタークロダのジャクソンホールでの言動をひそかに見守る人たちがウォール街には少なくない。
日本経済新聞
ミスタークロダの失言がないことを祈ります。
また、悩ましいのは、その黒田氏の質疑応答などの時間が、不明だということです。
眠れない夜になりそうです。
25日の米株式市場は静かな一日だった。米金利上昇の一服などを受けてダウ工業株30種平均は続伸した。もっとも市場の関心は26日予定のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演に向かっており、積極的な売買は控えられた。同氏が「インフレは一時的」と主張した前回の会議から約1年。無風イベントになるとの見方がある一方、相場波乱を警戒する声も残る。
日本経済新聞
これを「過ち」と言うかどうかは別として、その後のドル/円は、以下のようになっています。
円安です。
そして、気になるのは、最近の値動きでしょう。
さらに円安になる可能性もあるし、円高になる可能性も。
本当に分からなくなってきました。
以下、今日の経済指標カレンダーです。
パウエル議長は、もちろんこの数値も確認したのち、発言内容を変えてくるのでしょう。
だから、誰にも分からないのです。
去年のジャクソンホールのシンポジウムで、FRBのパウエル議長は、インフレは懸念材料ではあるが、“一時的だ”として、ゼロ金利は解除しないという考えを示しました。
その根拠として、5つの理由を挙げたことから、市場関係者やメディアからは、若きマイケル・ジャクソンが所属した人気音楽グループになぞらえて「ジャクソン5」と言われました。
- 価格が急上昇しているモノやサービスが、エネルギーなど狭い分野に限られること。
- 中古車などの価格上昇が落ち着いてきていること。
- 賃金は、高インフレにつながるほど上昇していないこと。
- 家計や企業、市場関係者も、長期的にはインフレが収まると考えていること。
- この四半世紀にわたって、グローバル化や人口減少などの要因から、物価上昇率が2%を下回る低インフレ時代になっていること。
しかし、ロシアによるウクライナ侵攻や、新型コロナの感染拡大の長期化、さらに政府による巨額の財政支出などによってインフレは加速。
消費者物価は40年ぶりの記録的な水準にまで上昇したことで「ジャクソン5」は説得力を失い、FRBは厳しい批判にさらされました。
NHK