体の中の細胞は、分裂を繰り返しています。それを、「体細胞分裂」と呼びます。人の体は、約60兆個の細胞からなり、この数は、常にほぼ一定だそうです。死んでいく細胞があるので、その分、体細胞分裂で、増えていきます。
卵子と精子の話。減数分裂には、第一減数分裂と第二減数分裂があります。卵子には、母方、父方の一対の遺伝子のうち、一本ずつが、卵子と精子の中に入ることになります。
一つの卵子に一つの精子が、入り込むことで、受精が起きます。精子が卵子に入り込むと、他の精子は、卵子に入れなくなります。そうして、一つの卵子と一つの精子が受精して、受精卵ができます。その後、卵割をして、人の体が、形成されていきます。
山中伸弥教授が、2000年頃、ES細胞で特徴的に働く4つの遺伝子(Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc)を、レトロウイルスベクターを使って、マウスの皮膚細胞に導入して、培養しました。すると、様々な組織や臓器の細胞に分化する多能性幹細胞ができました。これが、マウスiPS細胞の誕生の瞬間でした。2006年のことです。その後、山中教授のグループは、研究を重ねて、2007年、上記の4つの遺伝子をヒトの皮膚細胞に導入して、ヒトのiPS細胞の作製に成功しました。
iPS細胞は、ヒトの細胞に4つの因子を加えることで、作り出すことができ、心筋細胞や肝細胞、血小板などを作り出すことができます。
京都大学 iPS細胞研究所「CiRA」の紹介映像です。中盤、「iPS」の簡単な説明があります。
ES細胞とiPS細胞の違いについて聖マリアンナ医科大学の井上肇先生が解説しています! ES細胞は、倫理的な問題がありますが、拒絶反応などの問題がありません。iPS細胞は、倫理面の問題はありませんが、がん化のリスクがあります。
京都大学総合博物館の紹介です。「iPS」の名前の由来などの説明があります。
事故や病気で破損した体の部位をよみがえらせる再生医療の可能性を高めた、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を題材にしたドキュメンタリー。科学者や小説家をはじめとする識者への取材を交えながら、世紀の大発見にして大発明とされる同細胞が生み出された背景や、誰のためにどのように役立つのか、悪用される危険性はないのかなどに迫っていく。ノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学教授・山中伸弥の研究を取り上げ、山中教授が字幕監修を務めている。医学の発達のすさまじさと研究者たちのあくなき挑戦に息をのむ。