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【子供向け】ゲノム創薬の種類と成功例(実用化)

目次


  1. ゲノム創薬とは
  2. ゲノム創薬の将来
  3. ゲノム創薬の種類
  4. ゲノム創薬の成功例(実用化)

ゲノム創薬とは


ゲノムとは

「ゲノム(genome)」とは、「遺伝子(gene)」と「染色体(chromosome)」からの合成語で、遺伝情報全てのことです。ちなみに、ヒトの染色体は、各細胞核の中に、23対46本あって、各染色体は、DNAで構成されています。DNAのうち、遺伝情報のある部分が、遺伝子と呼ばれます。遺伝とは、例えば、目の色が似ているとか、ある病気にかかりやすいとか、親の生物学的特徴が、子に伝わることです。その根本に、遺伝子が関わっているのです。

ゲノム
ゲノム解析とは

ゲノム解析とは、生物の遺伝情報を解明することです。これまでにも、多くの生物の遺伝情報が、解析されて来ました。現在、遺伝子の情報である、DNAの塩基配列は、コンピュータで、自動的に解読・解析できるようになりました。ヒトゲノムの解読も、ほぼ全て終了しました。しかし、ヒトの遺伝子の役割と病気などとの関係は、まだ道半ばです。

ゲノム解析
ゲノム解析の将来とは

現在、ヒトゲノムの情報を細かく調べることで、患者の体質や病気の特性に合致した診断・治療を行えるようにすることを目指しています。それができると、副作用が少なく、最も効率的に治療を行うことができるようになります。さらに、あらかじめ、ヒトゲノムの情報を調べておけば、病気の予防ができるようになります。

ゲノム解析の将来
ゲノム創薬とは

ゲノム創薬とは、ゲノムの解読・解析により、遺伝子やたんぱく質の膨大なデータが得られ、そこから、病気の診断や治療に利用できる情報を選び出して、画期的な新薬を開発することです。具体的には、ゲノムの情報のデータベースを活用して、遺伝子の作るたんぱく質や病気の原因となる遺伝子を調べて、そのたんぱく質に結合する分子や抗体から薬を作ることです。

ゲノム創薬
ゲノム創薬のメリット

ゲノム創薬は、患者の遺伝子の情報から、病気に関係する遺伝子を同定して、ターゲットを絞り込んで薬を開発するので、薬の開発期間を短くできます。現在、酵素や受容体などのたんぱく質に加えて、メッセンジャーRNAやDNAまでも、医薬品の対象となる為、3千〜1万種類の薬を作ることができると言われています。病気の特性や患者の遺伝情報を考慮して、薬を作るので、副作用が少なく、効果的な薬ができると期待されています。

メリット

ゲノム創薬の将来


個別化医療とは

個別化医療とは、各患者に最適な医療を提供することで、患者や社会との共有価値創造に向けた取り組みのことです。

オーダーメイド医療

各人の遺伝子や制御領域にある「SNP(スニップ)」によって、医薬品の効果や副作用などに個人差が生まれることがあります。オーダーメイド医療とは、これらの特性を考慮して、各人に合わせた医薬品を提供することです。具体的には、約20万人分のDNAや血清などをバイオバンクに集めて、SNPと病気、薬の効果、副作用などの解明に取り組んでいます。

オーダーメイド医療
遺伝子治療

現在、がんや動脈硬化などの遺伝子治療の研究がなされています。がんの場合は、がん細胞にがんの抑制遺伝子や免疫を高める遺伝子を組み込んでがんを抑制したり、骨髄細胞に抗がん剤の副作用を抑える遺伝子を組み込んで、抗がん剤の副作用を抑える研究がなされています。将来は、患者の細胞の中に、病気に有効な遺伝子を組み込む治療も行われる可能性があります。

遺伝子治療
動物に薬を作らせる方法

現在、遺伝子組み換え技術を用いて、動物に薬を作らせる研究がなされています。具体的には、羊の胎児の体細胞を採取して、そこにヒトの遺伝子を導入します。続いて、羊の受精卵の核を取り除き、ヒトの遺伝子を組み込んだ体細胞の核を移植します。それを、メスの羊に着床させると、ヒトの遺伝子を持つ羊が誕生し、ヒトの薬となるたんぱく質を含むミルクを作り出します。この羊をクローン技術で大量に増やせば、多くのミルクを得られ、それを抽出・精製して、ヒトの薬を作り出すことができます。

動物に薬を作らせる方法
植物に薬を作らせる方法

植物にも、薬を作らせる方法が考案されています。例えば、トウモロコシに感染する細菌の遺伝子領域を取り去り、その部分にヒトの薬になるたんぱく質を作る遺伝子を導入してから、トウモロコシの細胞に接触させます。すると、細菌内のヒトの薬を作る有用な遺伝子が、トウモロコシに取り込まれて、核内のDNAに組み込まれます。そうしたトウモロコシを植物工場で大量培養して、薬の成分を取り出して、薬を作る技術もあります。他にも、病気のワクチンやインターフェロンをトウモロコシに作らせる方法や、稲、タバコ、イチゴ、ジャガイモなどで薬を作る研究があります。将来、このような植物製薬工場で、薬が作られる可能性も大いにあります。

植物に薬を作らせる方法

ゲノム創薬の種類


抗体医薬

抗体医薬とは、ヒトが元来持つ免疫力を利用して、特定の細胞や組織だけを認識して活性を示す抗体を投与して、治療する薬のことです。例えば、がん細胞の持つ抗原たんぱく質に対応する抗体を用いて、ピンポイントでがん細胞を攻撃できるので、副作用が少なく、高い治療効果が期待されています。

抗体医薬
アンチセンス医薬品

ヒトの細胞では、「DNA → メッセンジャーRNA → たんぱく質」という流れで、たんぱく質が、作られます。これは、がんに侵された細胞でも同じです。そこで、このDNAあるいはメッセンジャーRNAに結合することで、このがん細胞の動きを封じ込めることで、がんの治療を行います。こうして、がんのメッセンジャーRNAの塩基配列から、アンチセンスDNAあるいはアンチセンスRNAを合成して、特定のウイルスやがんの異常な遺伝子の働きを抑えることができます。そのアンチセンスDNAあるいはアンチセンスRNAのことを、アンチセンス医薬品と呼びます。

アンチセンス医薬品
分子標的薬

正常な細胞に作用せず、特定の細胞のみに選択的に作用する治療薬のことです。特に、がんの分野でその実現化が、期待されています。

分子標的薬

ゲノム創薬の成功例(実用化)


共同プロジェクト

2015年8月、武田薬品工業など日米欧の13社の医薬品メーカーが、ゲノム創薬の開発で、共同プロジェクトを立ち上げました。一方、がんの新薬が、実用化されるようになって来ました。2015年2月に、中外製薬は、皮膚がんの治療薬「ゼルボラフ」を発売。悪性黒色腫患者の約半数が、「BRAF」という遺伝子に異常があり、それを標的にしています。

共同プロジェクト
オプジーボ

2014年、小野薬品工業の「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」が、世界初の「抗PD-1抗体」として、悪性黒色腫に対して、日本で承認されました。オプジーボは、ヒトの免疫に関するT細胞の「PD-1」という受容体に、がん細胞に発現する「PD-L1」抗体が結合するのをブロックして、免疫の働きにブレーキがかかるのを阻害する薬です。

オプジーボ

従来の「タキソテール」という抗がん薬と比較して、高い効果があることが分かりました。

比較
ヘムライブラ

2018年5月、中外製薬の発売した血友病治療薬「ヘムライブラ」が、ブロックバスター(圧倒的売上を誇る新薬)となりました。この薬は、バイスペシフィック抗体と呼ばれ、Yの字の抗体の左右で異なる抗原と結合する抗体医薬品です。その結果、血液凝固第VIII因子の代わりとなって働くことができます。

ヘムライブラ
グリベック

「グリベック(一般名:イマチニブ)」は、慢性骨髄性白血病(CML)という血液のがんに対して、高い効能を持つ薬です。

映画『薬の神じゃない!』

映画『薬の神じゃない!』は、2018年に中国で公開されて、大ヒットした映画です。これは、がん治療の高額な薬「イマチニブ」を巡って起こった実際の事件を基にしています。

上海で、男性向けの回春薬を売る小さな店主チョン・ヨン(程勇)は、店の家賃さえ払えず、妻にも見放され、人生の目標を見失っていた。ある日、「血液のがん」である慢性骨髄性白血病患者リュ・ショウイー(呂受益)が店に訪れる。国内で認可されている治療薬は非常に高価であるため、安価で成分が同じインドのジェネリック薬を購入してほしいという依頼だった。最初は申し出を断ったものの、金に目がくらんだチョン(程)は、ジェネリック薬の密輸・販売に手を染め、より多くの薬を仕入れるため、購入グループを結成する。依頼人のリュ(呂)を始め、白血病患者が集まるネット上コミュニティの管理人で、自身も白血病の娘を持つポールダンサーのリウ・スーフェイ(劉思慧)、中国語なまりの英語を操るリウ牧師(劉牧師)、力仕事が得意な不良少年のボン・ハオ(彭浩)が加わり、事業はさらに大きく拡大していく。しかし、警察に密輸として目をつけられ始め、いったんはグループを解散したチョン・ヨン(程勇)たちだったが、薬を絶たれた患者たちの悲痛な叫びに決意を固める。患者の負担を軽くするため仕入れ値以下の価格で薬を売り、あえて危険な仕事を続ける彼に待ち受ける結末とは……。



引用文献


  1. 中外製薬
  2. みんなのバイオ学園
  3. 日本株と投資信託のお役立ちノート
  4. テラのがん免疫療法情報ガイド
  5. CMLステーション
  6. 講談社ブルーバックス
  7. 中外製薬

バイオのアトラクション


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