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【子供向け】セントラルドグマの解説(転写・翻訳・逆転写・コロナ)

目次


  1. セントラルドグマとは
  2. 逆転写
  3. ウイルスの分類
  4. 新型コロナウイルスの感染の流れ

セントラルドグマとは


セントラルドグマとは

細胞核の中のDNAの情報が、読み取られ、RNAに写し取られます(転写)。次に、RNAの塩基配列から、タンパク質が、作製されます(翻訳)。このような複製過程を「セントラルドグマ」と呼びます。

セントラルドグマ
転写・翻訳
注意点

DNAの塩基配列は、「A」「T」「C」「G」からなりますが、RNAの塩基配列は、「A」「U」「C」「G」となっており、「T(チミン)」が「U(ウラシル)」になっているので、注意しましょう。

アミノ酸

mRNAは、4つの塩基を3つずつ組み合わせて、アミノ酸を指定します。その為、コドンは、全部で、43=64種類あります。標準アミノ酸は、全部で20種類あり、異なるコドンが、同一のアミノ酸を指定することもあります。

アミノ酸
アミノ酸とタンパク質
合成時の間違い

RNAポリメラーゼは、104塩基に一つの割合で、間違いを起こしますが、DNAポリメラーゼは、108〜109塩基に一つの割合でしか、間違いが起きません。


逆転写


逆転写とは

マサチューセッツ工科大学のデビッド・ボルティモアの研究チームが、レトロウイルスというRNAウイルスの複製に関する新しい酵素を同定しました。これらの酵素は、ウイルスの内部のRNAを、ヒトの体内で、DNAに変換して、ヒトのDNAに組み込ませることができるのです。これらは、RNA依存性DNAポリメラーゼであり、逆転写酵素と呼ばれます。

逆転写

ウイルスの分類


ウイルスは、核酸の形状と増殖機構の特徴に基づいて、7つに分類されます。

2本鎖DNA

感染すると、多くの場合、ヒトの細胞核に移動し、ヒトの複製機構を使って増殖します。そして、ヒトのRNAポリメラーゼを使って、mRNAを作って、ウイルス由来のタンパク質を産出します。「アデノウイルス」「パピローマウイルス」「ヘルペスウイルス」「天然痘ウイルス」「EBウイルス」など。

1本鎖DNA

自らのDNAを用いて、DNAを作り、複製できます。「アデノ随伴ウイルス」など。

2本鎖RNA

プラス鎖のRNAが、mRNAとなって、ウイルス由来のタンパク質を作ります。自らの持つRNA依存性RNAポリメラーゼを用いて、複製を行います。「ロタウイルス」など。

1本鎖RNAプラス鎖

RNA本体が、mRNAとして働いて、ウイルス由来のタンパク質を作ります。ヒトの細胞質内で、複製されます。「コロナウイルス」「エンテロウイルス」「風疹ウイルス」「日本脳炎ウイルス」「デング熱ウイルス」「C型肝炎ウイルス」「ノロウイルス」など。

1本鎖RNAマイナス鎖

本体のRNAを鋳型に、mRNAを作って、細胞質で、ウイルス由来のタンパク質を作ります。「麻疹ウイルス」「センダイウイルス」「ムンプスウイルス」「RSウイルス」「狂犬病ウイルス」「エボラウイルス」「インフルエンザウイルス」など。

1本鎖RNA逆転写

本体のプラス鎖RNAを逆転写して、2本鎖DNAを作って、ヒトのゲノムに組み込みます。そのDNAから、mRNAが作られ、ウイルス由来のタンパク質が産出されます。「ヒトT細胞白血病ウイルス」「ヒト免疫不全ウイルス(HIV)」など。

2本鎖DNA逆転写

DNAから、一旦RNAを作り、それを逆転写することで、DNAを作って複製します。「B型肝炎ウイルス」など。

ウイルスの危険性

逆転写によって、ウイルス由来のDNAが、ヒトの体内のDNAに組み込まれるということは、そのDNAは、子孫にまで、受け継がれる可能性があるということです。元来、ヒトのDNAには、ウイルス由来のものが多く含まれているようです。新型コロナウイルスは、「1本鎖RNAプラス鎖」ですので、ヒトのDNAに何かしらの痕跡を残す可能性はないのかも知れませんが、その可能性を完全には否定できないのではないでしょうか。そして、それは、子孫にまで、影響を与えます。


新型コロナウイルスの感染の流れ


コロナウイルスとは

コロナウイルスは、「1本鎖RNAプラス鎖」で、新型コロナウイルスも、これの一種です。その他、6種類あって、4種類はただの風邪ですが、2種類は「MERS」と「SARS」で、重症肺炎を引き起こします。

コロナウイルス
コロナウイルスの感染の流れ
  1. スパイクタンパクが、ヒトの細胞の受容体に結合。
  2. ヒトの細胞内に侵入して、RNAを放出。
  3. RNAをmRNAに翻訳して、複製に関わる酵素を合成。
  4. RNAの複製。
  5. 新たなウイルスを複製。
  6. 細胞外へ出て、感染・複製を繰り返す。
感染の流れ

引用文献


  1. WEB玉塾
  2. 生命系のための理工学基礎
  3. TEKIBO
  4. Thermo Fisher
  5. 日経メディカル
  6. Chem-Station

生理学のアトラクション


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