日本で供給される予定の「ファイザー」「モデルナ」「アストラゼネカ」「ノババックス」のワクチンの比較をまとめました。アストラゼネカが、有効性に劣りますが、値段は最も安く、通常の冷蔵庫で保管できるというメリットがあります。空輸に問題がありましたが、国内生産も始めています。
会社名 | ファイザー他 | モデルナ | アストラゼネカ他 | ノババックス |
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有効性 | 95% | 95% | 62~90% | 96% |
価格 | 2,100円 | 25ポンド | 3ポンド | |
仕組み | RNAワクチン | RNAワクチン | ウイルスベクター | 組み換えたんぱく質ワクチン |
保管温度 | マイナス70度 | マイナス20度 | 通常の冷蔵庫 |
「ウイルスベクター」は、有効性はやや劣りますが、集団免疫を得るには、このくらいで十分です。また、価格も安く、通常の冷蔵庫で保存できる点でも、優れています。ただし、接種できるのは一度だけという情報もあり、持続期間がどのくらいあるかという問題があります。
一方、「RNAワクチン」は、効果は高いのですが、空輸や日本国内の配送段階で、ずっとマイナス70度以下に保たなくてはならないので、手間もコストもかかります。また、これまでにない方法で作られたワクチンなので、その影響は、未知数です。
したがって、まずは、「ウイルスベクター」を接種しておいて、機を見て、「RNAワクチン」の接種をするという選択肢もあります。
「RNAワクチン」は、基本的に2度接種する必要がありますが、何度も接種可能なので、効果が薄れてきた頃に、また打つことができます。一方、「ウイルスベクター」の方は、接種は、基本的には一度限りと言われています。その為、効果が薄れた時、2度目の接種をしても意味がないそうです。ただし、オックスフォード大とアストラゼネカは、「第1相・第2相臨床試験で同じベクターでの2回投与についても評価している」と報告しています。
ファイザーは、「RNAワクチン」について、細胞内で突起部分に対する免疫反応が起きるので、倦怠感、頭痛、発熱、悪寒などがあるとアナウンスしている。しかし、臨床試験の結果では、安全性の問題はないとしている。一方、この手法を使って癌や感染症の薬品開発が進んでいるが、いずれもまだ実用化されておらず、今回は、世界で認可の前例のないワクチン製造法の安全性審査となった。
「RNAワクチン」は、新型コロナウイルスの突起部分に反応する仕組みになっているため、突然変異を起こしたウイルスでも突起が変わっていない限り、効果が期待できる。その為、変異ウイルスに対しても、高い予防効果を発揮できるのだと言われている。