変異株(変異ウイルス)が、蔓延して、コロナワクチンの効果が、疑問視されています。そこで、ここでは、「ファイザー」「アストラゼネカ」「モデルナ」「ノババックス」のコロナワクチンについての変異株への効果について概説します。
横浜市立大の研究チームは12日、米製薬大手ファイザーの新型コロナウイルスワクチンを2回接種した日本人105人のうち約9割が、従来株と英国型や南アフリカ型など7種の変異株に対する抗体を持っていたとする研究結果を発表した。チームは「現在の変異株に対しては既存ワクチンでかなりの部分が対応できる可能性がある」としている。
2回接種した場合、99%の人で従来株に対する中和抗体を確認。変異株については、英国型とブラジル型は94%、南ア型は90%、インド由来の変異株は97%など、7種全てで90%以上の人が中和抗体を持っていた。また、89%の人が従来株と変異株すべてに対し中和抗体を持っていたことが判明したという。
出典:産経新聞
イギリスの製薬大手、アストラゼネカとオックスフォード大学が開発したワクチンについては、オックスフォード大学などのグループがイギリスで見つかった変異ウイルスに対しては変わらない効果がみられたという調査結果を公表しています。
南アフリカで見つかった変異ウイルスに対しては効果が確認できないとする報告が出ています。
オックスフォード大学などのグループが医学雑誌「ランセット」に発表した論文によりますと、アストラゼネカのワクチンの接種を2回受けた8534人のうち、2021年1月14日までに新型コロナウイルスに感染して症状が出た520人を分析した結果、ワクチンの有効性は▼従来のウイルスに対しては81.5%だったのに対し、▼イギリスで見つかった変異ウイルスに対しては70.4%だったとしています。
また、南アフリカの大学などのグループが「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表した論文によりますと、南アフリカで2021人を対象にした臨床試験では、ワクチンを接種したグループとしなかったグループで軽症から中等症の症状が出た人の数に差は見られず、南アフリカで見つかった変異ウイルスによる発症を防ぐ効果は10.4%で、効果は見られなかったとしています。
いずれのワクチンも、変異ウイルスに対する効果は、実験室での実験や臨床試験だけでは分からないことも多く、WHO=世界保健機関はより多くのデータで詳しく分析する必要があるという認識を示しています。
出典:NHK
ワクチン接種者の血清中和活性は、イギリス型変異株に対しては低下しないが、南アフリカ型、ブラジル型、そしてイギリス型にE484K変異が加わったウイルスに対しては、数分の1に低下する可能性が示唆されています。この程度の低下が、実際の人での感染にどれくらい影響するかは、今後の解析が待たれます。
出典:山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信
米バイオテクノロジー企業ノババックス(Novavax)は28日、自社が開発した新型コロナウイルスワクチンについて、英国で実施した大規模な第3相臨床試験で、89.3%の有効性を示したと発表した。しかし、南アフリカで最初に確認された変異株「B.1.351」に対する有効性は、はるかに低かった。同社は、南アフリカ変異株用の新たなワクチンの開発に直ちに着手すると述べた。
出典:AFP