日本では、2021年2月17日にファイザーのワクチンの接種が、開始されました。まず医療従事者に接種を開始し、3月下旬頃から高齢者や基礎疾患ある人に続き、福祉施設の関係者を優先させる為、一般の方の接種は、もっと遅くなりそうです。さらに、16歳未満の子供は、当面接種対象ではありません。
新型コロナウイルスのワクチンで、唯一、国内で承認申請が行われているアメリカの製薬大手ファイザーのワクチンについて厚生労働省が承認する場合の接種対象を当面、16歳以上とする方向で検討していることが分かりました。
背景には日本での治験の対象が20歳以上で、日本人の子どものデータが得られないことに加え、海外の治験でも15歳以下についての十分なデータがないことがあるとしています。さらに、子どもが感染した場合は重症化するリスクが低いことも理由に挙がっているということです。
すでにこのワクチンの接種を始めているアメリカやイギリスも対象を16歳以上としていて、厚生労働省は承認審査を慎重に進めつつ、国内の治験の結果も踏まえて、対象年齢を最終的に判断する方針です。
WHOによると、世界の人口の65~70%の人が、新型ウイルスの抗体を持てば、ウイルスの伝播を阻止することができます。その状態を「集団免疫」と言います。その状態になって初めて、世界中のあらゆる場所、あらゆる人が、安全だと宣言できるようになります。
英インペリアル・カレッジ・ロンドンの疫学者アズラ・ガニ教授は、ワクチン接種率が70%に達すれば、集団免疫の状態、つまり「安全圏内に入る」だろうと述べた。ガニ教授は、確かに接種率が70%に届けば元通りの生活に戻れる可能性に言及しつつも、予想しなかった問題が何も起こらなくても、元通りの生活に戻るのは大変だと言う。「ワクチン接種によってパンデミックは終わるだろうが、それがいつになるかが問題で、最も推測が難しい事柄だ。なぜならワクチンを届けること自体が最大の難関なので」と言う。
「mRNAワクチン」は、マイナス70度ほどでの低温保存が必要で、生産地から、空輸・配送する間、冷凍保存しなければならない。その為、日本政府も、「マイナス70度程度で保管可能な冷凍庫10,000台を確保している」と報じている。一方、ドイツの流通大手ドイチェ・ポストDHLは、アフリカや南米、アジアの大半で、流通の「最終部分」で低温保存設備が足りないと警告している。また、貯蔵施設も不十分で、世界的に大規模なワクチン流通に「最大の困難」を招くと指摘。